投稿日:2017年7月28日
最終更新日:2022年10月15日
FOS夏の交流会

第5回FOS夏の交流会 in Boston(7月)

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WRITER 益田隆司
執行理事
第5回FOS夏の交流会 in Boston(7月)

第5回FOS夏の交流会 in Boston(7月)

2017年7月28日(金)から2017年7月31日(月)まで、第五回FOS交流会をボストンのBoston Marriott Copley Place で開催しました。
今回の奨学生の参加は43名でした。ボストンですので、MIT、ハーバードなどの学生は地元ですが、多くは米国のそれ以外の地域、西海岸、一部は、イギリス、スイス、日本からの参加者でした。また今年は3年振りにゲストのご参加をいただきました。

ゲストはUCBの教授であり、東京大学のカブリ数物連携宇宙研究機構長の村山斉教授です。
村山先生には7月28日の夕食から30日の午後までお付き合いいただきました。
村山先生をゲストにお願いしたいというのは学生からの強い要望でしたが、たまたま私が若いとき、村山先生のお父上と日立製作所中央研究所で親しい同僚であったということで、私もとても親しみを感じていました。

村山先生は小さいとき、八王子の日立製作所大和田社宅で育ったと話されていましたが、私もいまから50年以上も前に、大和田社宅に隣接する大和田寮で生活したことがあります。
ボストンには私の昔からの友人の関野陽君がいます。
1970年前後にMITのProject MAC、MULTICS システムの研究開発グループで Ph. D. を取得しました。
今回関野君のお世話でボストン総領事の道井緑一郎氏が、交流会にご参加くださり、彩りを添えて下さいました。交流会の後には、学生とともに、総領事公邸にご招待くださり、日本食のフルコースをご馳走になり、とても感激しました。

今回の交流会のプログラムは、ペンシルバニア州立大学の南出将志君が中心になり、塩田佳代子さん、田中秀宣君、勝谷郁也君、吉永宏佑君、鄭麗嘉さんがサポートする体制で企画してくれました。
南出君は米国大学院学生会の会長も務めています。南出君はじめ企画に携わってくれた皆さんに心から感謝したいと思います。

7月28日(金)

ホテル Boston Marriott Copley Place 各自チェックイン
110 Huntington Avenue, Boston, MA 02116
19:00顔合わせ夕食会 "Lucca″(226 Hanover Street)
18:15にホテルのロビーに集合して、地下鉄でLucca というイタリアンレストランに行きました。
村山先生は空港から直接見えていて、先生の乾杯のご発声で19時から食事がはじまりました。
レストランの地階で、われわれの貸し切りでしたが、互いに向かい合った縦に長い席で、皆がしゃべるとかなり騒音が響き、声が通る範囲が限られました。
村山先生の挨拶のときは、静かでしたのでうるさいのは専ら自分たちのしゃべり声のせいでした。それくらい大人数になったということです。

7月29日(土)

ホテル2階のレストランChampionsで各自朝食を済ませました。
10:00益田の開会挨拶でミーティングが始まりました。7月4日に財団理事長の船井哲良氏が90歳で亡くなりました。
船井氏はこの財団の出資者であり、生みの親です。
初期の頃の奨学生は理事長と東京の財団オフィスで接したこともしばしばありました。
理事長のご経歴について簡潔に話し、全員起立して黙祷を捧げました。
10:20-10:40ボストン総領事の道井緑一郎氏から歓迎のご挨拶をいただきました。
単なる歓迎の挨拶というよりも、米国における日本の存在感が低下していることをさまざまなデータから定量的にパワーポイントを使って示され、これをどうにかしないといけないという、内容の濃いご講演でした。
1時間以上をかけてもっとじっくりお聞きしたい内容のように感じました。
道井総領事のご挨拶の内容を田口厚志君がまとめてくれたものを、後ろに添付しておきます。
歓迎のご挨拶 (ボストン総領事 道井緑一郎様)
10:40-12:00村山斉先生のご講演:先生のご専門の宇宙と暗黒物質についてご講演いただきました。
宇宙について現時点で分かっていることを科学的に明確に話されました。
人を引き込む話術の巧みさは、本質を理解している人でないと話せないものであることを強く感じました。
聴衆全員が先生の話に聞きっていました。
村山先生のご講演の要約を深見柾也君がまとめてくれましたので、本記事の後ろに添付しておきます。
講演 「宇宙と暗黒物質」(村山 斉先生)
12:00-13:00昼食 コールドランチブッフェ(サンドウィッチ)
13:00-15:00奨学生の研究発表が行われました。
畠山大輝君(UCB)、篠原肇君(University of Cambridge)、下英恵さん(University of Cambridge)、荒川智洋君(Purdue)、谷川洋介君(Stanford)がそれぞれ研究発表を行い、活発な質疑が行われました。
皆それぞれ専門が異なるのに、専門外の人に向けてよく練られた発表であったこと、すべての人の発表に時間が足りないくらいの盛んな質疑がおこなわれたことに感心しました。
ご本人からいただいた発表内容のまとめを添付しておきます。
1人の発表時間は質疑を含めて平均で20分強でしたが、人ごとに微妙に時間の長さを変えているのはなぜなのか不思議に思いました。
16:15-17:00休憩を挟んで、中村拓磨君(Georgia Tech)、久門智祐君(University of Pennsylvania)、鄭麗嘉さん(Cornell University)が研究発表を続けました。
15:15-16:15全員が研究発表をする時間はとてもとれないので、多くの参加者はポスター発表を行いました。
まずこの時間帯には15人のポスター発表1が行われました。会議室には教室のような机と椅子が配置されています。
ポスター発表は中央の通路を挟んで、両側の机に発表者が並ぶかたちで行われました。
パソコンを使った発表が多かったですが、早川君の発表は大きな布地にスライドが印刷されたものを用意していました。
私ははじめて見ましたが最近はこんなものがあるのかと感心しました。
紙と違って折りたたんで自由に持ち運びができるという利点があります。
17:50-ホテルロビーに集合して、地下鉄でクルーズの埠頭に向かいました。
自分で考えることなく、集団の後ろに付いていっていると、方向も地下鉄の切符の買い方も分からず、いま記録を書こうと思っても記憶に出てこず困っています。
19:00-23:00ディナークルーズ Odeyssey Boston (60 Rowes Wharf)
Odyssey Boston の埠頭から 19:00 発で 4 時間のディナークルーズでした。
われわれの夏の交流会は殆ど毎回ディナークルーズに出かけるのが恒例となっています。
昨年は全く同じ時期サンフランシスコでのクルーズでしたが、甲板に出るととても寒くて着込んだことが記憶に残っています。
今回はFOS奨学生だけでなく、村山先生、それに、道井総領事とその奥様も参加されました。
たまたま総領事ご夫妻と夕食のテーブルがご一緒になり、ゆっくり会話を楽しむことができました。
ただ船上からの夜景は、これまでのニューヨーク、ロンドン、サンフランシスコに比較すると、あまり印象に残っていません。
やはりボストンの街がそんなに大きくはないせいでしょうか。外海には出ず、同じところを何度か回っていたような感じがしました。
食事を済ませると皆テーブルに座っていることはせずに、甲板に出たり、音楽に合わせて踊ったり、それは楽しそうにしていました。

7月30日(日)

ホテル2階のレストランChampionsで各自朝食を済ませました。
10:00-11:20昨日に続いて奨学生研究発表が行われました。
方弘毅君(University of Illinois)、重本祐樹君(University of Cambridge)、五十嵐歩美さん(University of Oxford)、南出将志君(Pennsylvania State University)が研究発表を行いました。
方君は奨学生OBです。
MITでPh. D. 取得後、現在はUniversity of IllinoisでAssitant Professorをしています。
専門は航空工学ですが、この日は自分が教員となったアメリカの大学についての話をしました。
同業の村山先生からいくつもコメントが出ていました。
11:30-12:15昨日に続いてのポスター発表2がありました。
これで参加者全員が講演発表またはポスター発表をしたことになりました。
最後まで皆それぞれのポスター発表者を取り囲んで熱心な議論をしていたことが強く残りました。
ポスター発表についても、その要約を本人たちに書いてもらったものをこの稿の後ろに添付しておきます。奨学生の研究発表・ポスター発表の要約
12:15-19:00予め決められた8つのグループに分かれて、ボストンの観光に出かけました。
ゲストの村山先生はこの日の夕方の便で、サンフランシスコに戻られますが、それまでは時間があるということで、この日の朝に、村山先生と昼食をご一緒したい者を求めたところ、沢山の希望者が出てきました。
全員はとても不可能で学生がくじで5人を選んでくれました。
選ばれた学生たちと一緒に近くのギリシャレストランに行って昼食をご一緒しました。
先生のお時間が十分ありましたので、ゆっくりお話ができて、解散したのは午後4時近くになっていました。
雰囲気もよく料理もとても美味しいレストランでした。
19:00-22:00夕食会:Legal Sea Foods (26 Park Square)
いつも交流会最終日にはディナーパーティをやります。
今回はホテルから徒歩で20分ほどのレストランLegal Sea Foodsでありました。
これまでと違って、立食でした。
皆和気あいあいと交流し、また来年の再会を期していました。
ホテルに戻ってからも、ホテルのレストランで大勢が深夜まで話していました。
7月31日(月)ホテル2階のレストランChampionsで各自朝食を済ませ、自由解散となりました。
ただ今年はその続きがありました。
道井総領事が私と学生たちを総領事公邸の食事会に招待して下さったのです。
この日の夕食でした。
多くの学生はもう帰りの飛行機の便を予約していましたが、前日に学生たちに希望を募ったところ、ちょうど10人の希望がありました。
多少総領事にご無理を申し上げ、希望者全員を受け入れていただきました。
公邸はホテルから車で30分程のボストン郊外の高級住宅街にありました。
広大な庭園を持つ立派な邸宅でした。
道井総領事が前任地のモスクワからボストンに赴任されたのは昨年だそうです。
たしか12年生と言っていましたが、来年から大学というお嬢様も出てこられました。
庭園のテラスで1時間あまり歓談した後、食事が始まりました。
日本食のフルコースでした。
しばらくして、料理人の方のご挨拶もありましたが、京都の祇園の日本料理店で腕を磨かれていたとのことです。
驚いたのは、どんな料理人を連れて行くかは、すべて総領事が決めるのだそうです。
総領事の食に関する能力も問われることになります。
でも考えてみると、ごく自然なことで、総領事のもとには重要な賓客が後を絶たずお見えになるはずです。
そのおもてなしをいかに上手くこなすかということは、総領事にとってきわめて重要なことであるに違いありません。
食事はおもてなしの中でももっとも重要なことでしょうから、納得できる料理人を選ぶことはとても大事なことだと思います。
総領事公邸には、私たちが案内されたところだけで、大きな部屋が3つありました。
食事をした部屋にはオランダ風の大きな絵がいくつも壁にかかっていて、中央の居間はフランス調でした。
そして玄関入ってすぐ右手の大きな部屋はアメリカ調の部屋でした。
夕食が済んでしばらく歓談して、解散となりました。
郊外でしたが、学生がウーバーで呼んだ車に同乗してホテルに戻りました。

今回の交流会の参加者一覧、それに、スナップ写真を添付しておきます。来年度も交流会は継続する予定ですが、場所は現在ロスアンジェルスが候補に挙がっています。ゲストはこれから検討しますが、できるだけはやくに候補をあげる必要があります。今年は南出君が企画立案のためにとてもよく働いてくれました。夏の交流会は財団の行事の内でもとても重要なものとなっています。学生にとって、互いの交流を深めておくことは将来の大きな財産になるに違いありません。予算はかかりますが、こういった活動を継続することが、われわれの財団の大きな特徴であると考えています。参加してくださった学生諸君にも心から感謝の意を表したいと思います

交流会参加者一覧

交流会参加者一覧

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